2020年7月21日火曜日

ヨコハマトリエンナーレ 2020 AFTERGLOW-光の破片をつかまえる

7月17日から始まったヨコハマトリエンナーレ 2020、早速行って参りました。

沢山のアーティストの作品に出会うことができるトリエンナーレは、自分の好きな作品を探せるので毎回楽しみにしています。

今回はコロナの影響で30分ごとの予約制で入場するため、混雑もないのでじっくり鑑賞することができました。ただ、二カ所の展示場を同日に廻らなければならない縛りは、身重な私には若干きつかったです…。

ソースブック


まずは、行く前にアーティスティック・ディレクターである3人組のラクス・メディア・コレクティヴ(Raqs Media Collective)が今回の美術展の拠点とした「ソースブック」なるものを読んでいきました。

特に、トム・ギル著「毎日あほうだんす――寿町の日雇い哲学者 西川紀光の世界」からの抜粋はとても示唆深く、自分の言葉で語れる西川のような人は現代社会ではとても貴重な存在という印象。

ヨコハマトリエンナーレに地理的に行けない場合でも、このソースブックを読むことで何かインスピレーションを得ることができるはずです。おすすめです。

https://www.yokohamatriennale.jp/2020/concept/source/



印象に残った作品をメモがてら記録しておきます。

Robert Andrew:つながりの啓示




水が噴射されて、徐々に言葉が出現してくる作品のようです。どんな文字が出てくるのかな?


チェン・ズ(陳 哲、CHEN Zhe):パラドックスの窓



現代アートには珍しく?美しさを備えた作品で心地の良い空間になっていました。

作品にはそれぞれ下記のような解説のパネルが展示されています。解説を読むと、頭でっかちになった感じもありますが、作品の理解が深まるという点では、横浜のアートらしく市民に寄り添った展示会という感じにもなりますね。




金氏 徹平:White Discharge



日本っぽい!



ニルバー・ギレシュ(Nilbar GÜREŞ):『知られざるスポーツ』


トルコの女性アーティス。写真を撮り忘れてしまったのですが、「知られざるスポーツ」と題した写真の連作です。不思議な衣装や布をまとった女性たちが、体操競技の鞍馬や吊り輪を演技をしているシュールな写真です。

https://tanjawagner.com/2020-nilbar-gures-yokohama-triennale/



パク・チャンキョン:遅れてきた菩薩




かなり引き込まれた長めの、映像作品。日本の原発の「もんじゅ」、「ふげん」が仏教用語であること、インドの核実験の名前が「Smiling Buddha」であることが映像内で紹介されている。核は人に救いをもたらすとを期待されていたのかな?と考えさえられる作品。

作品の紹介記事↓



キャシー・ジェトニル=キジナー
撮影監督:ダン・リン
(インティ・ゲレロのキュレーションよる、横浜美術館所属作品の展示)


Kathy Jetñil-Kijinerという、環境活動家の方を収めた映像作品もとても素晴らしかったです。

ご本人のサイトに今回展示されていた作品があったので貼っておきます。




そして、場所をプロット48に移しての展示。



まさかの勝手知ったるアンパンマンミュージアム跡地で、びっくり!(子どもの散髪によく来ていました…)。以後、全ての作品とアンパンマンミュージアムとの記憶がリンクしてしまい集中できなかったのは秘密…。

エレナ・ノックス:Volcana Brainstorm


いくつもの部屋を使った参加型のアートはなかなかおもしろそうでした。


エコスフィアの中で繁殖しないエビはどうしらたらセクシーな気分になるのか?というブレインストーミングを行う展示のようです。こちらに昨年黄金町で行われた同プロジェクトのページがありました。




ラヒマ・ガンポ(Rahima GAMBO):タツニヤ(物語)


少女たちが学校で学ぶ様子が写し取られた写真、映像作品です。

こちらで一連の作品を見ることが出来ます。
http://www.rahimagambo.com/tatsuniya



他にも事前予約しないと見たり体験したりできない作品や、上演時間の決められた作品など気になるものもあったのですが時間の制約で今回はパスしました。丸一日時間のある日に、ぜひスケジュールを立てて訪れて見てはいかがでしょうか。